• 日本オストミー協会山形県支部は山形県内2,200名のオストメイトの社会復帰、QOL(生活の質)及び福祉向上のため、仲間同士の交流会や相談会、医療従事者を招いての研修会や入浴体験会など様々な活動を行っています。

2022年度日本オストミー協会山形県支部定期総会と研修会を開催

2022年5月22日(日)山形市総合福祉センターで3年ぶりに2022年度日本オストミー協会山形県支部定期総会が開催されました。

■今年の県支部通常総会並びに研修会は、コロナ禍の終息を願いながらも見通しが立たない中、5月22日(火)山形市総合福祉センター交流ホールにて何とか無事に開催することが出来ました。
来賓として、山形県障がい福祉課の東海林氏、山形市障がい福祉課の丹野氏、県身障協の福田氏、顧問医の佐藤先生よりお祝いの言葉をいただきました。


第二部の支部研修会では、飯豊町のNさんから「オストメイトになってからの2年間」を語っていただきました。昼休みに入り、昼食は仕出し弁当を味わい、装具メーカーや賛助会員の展示コーナーでは装具の説明や試供品の提供を受けていました。

《Nさんから語っていただいた体験談の要旨》
2020年1月に直腸がんでオストメイトに。父親も同じ病気だった。今も抗がん剤治療を受けている最中です。これまでに漏れたり色々なトラブルがあります。昨年南陽市での研修会でストーマ外来という私たちの専門外来が米沢市立病院にあることを知りました。早速渡部皮膚・排泄ケア認定看護師さんより指導を受けるようになってからは快適に過ごせるようになってきました。体重も手術前より随分増えているし、今は病気に負けないように、また、あまり病気のことは考えない様に前向きに生活しています。


顧問医師・県立中央病院佐藤先生より講演をいただきました

■ 佐藤先生からは「ストーマ造設後の副作用とトラブル対策」について、ご講演を頂きました。プロジェクターを使って事例ごとに詳しく説明頂いた上に質問にも応えて頂きましたが、講演まとめをと録音したつもりでしたが、録れていません。会員の皆様、申し訳ありません。先生ごめんなさい。済みませんでした。


装具メーカーと販売店からの最新情報及び、製品と試供品の展示会

■装具メーカー5社と装具販売店5社より11名ご参加いただき、たくさんの新製品の紹介、試供品展示に協力をいただきました。また分散会交流会にも加わっていただき、オストメイトから直接生の声を聴いていただきました。


3のグループに分かれ、情報交換と交流会を行いました。

佐藤顧問医をはじめ小林由貴子山大病院 WOCN 、村山智美山形済生病院WOCN、矢萩友加県中病院WOCNを迎え、各メーカーの担当者(アルケア、コロプラスト、コンバテック、ホリスター、ホリスターダンサック)の参加も得てストーマ部位(コロストミー、イレオストミー、ウロストミー)毎に開催しました。


※   一斑 ※

  • 昨年4月手術をしました。洋式便器なんですが、狭く汚してしまうときもあり困っていました。その後ストーマ用の便器に変えてからは、広くて汚さないし大変具合良く使用しています。
  • 山大で手術をして27年。前に皮膚トラブルで困っていたが、自分に合う装具を探していましたが、アルケアさんの製品を使ってから皮膚トラブルもなくなり良かったなと思っています。
  • 皆さんの話を聞きたいと思い参加しました。パウチをストーマに貼るとき、きちっと合わせられなくて家内にやってもらっています。皆さんはどうしていますか、という声に・・・「鏡を見ながら貼ったり」、「下からあてがってお腹の皮膚を引っ張りながら貼ってみたりしては」。
  • パウチの穴を切るのが大変という声には・・・「専用のハサミがあるので使ってみたら」 「はじめから空いているパウチを使ってみては」。など・・・


※   二斑 ※

イレオストミーの仲間が多い班で、様々な経過を経てオストメイトになったが、工夫しながらも前向きに生活している様子が伝わってきました。
  • 中学生の時に出血があり高校生になって痔と言われ病院へ行ったらすぐ入院となり潰瘍性大腸炎と言われた。薬で抑えていたが30代で手術。10年程前にオストメイトになった。夕食を減らすことがあったり、ナイトバックに落ちないで困ることがある。
  • 左側のストーマから右側にもつけるようになった。パウチ交換するときにかゆみを感じることがある、何とかならないだろうかと思っている。
  • 俳優さんがストーマを造ったということを聞いていたので何も心配しないで造設手術を受けた。
  • 目覚ましを鳴らして夜中に一回は起きないとパンパンになり漏れることがある。月に1万円以上の支出があるが、パウチよりも固めるのに経費が掛かるので何とかしてほしい。
  • メーカーでも皮膚・排泄ケア認定看護師が相談に乗っているが相談内容は皮膚トラブルが多いと聞く。内容によっては、相談者の近くのストーマ外来開設病院を紹介している。
  • ストーマ外来には、漏れによる皮膚障害、ストーマのサイズが合わなくなったという相談が比較的に多い。早めの相談が良くなるポイント。

※   三班 ※

退院間もない人や10年以上も治療している人と様々な病歴の仲間で話し合いが始まりました。
  • この病気になってから夜中に水を飲みに起きるようになったが、水で良いのか他に良い物はないのか・・・・ジュース類、スポーツドリンクなどいろいろあるが,いずれも糖(甘味)が含まれており大量に飲むことは別の病気を起こすこともあるので注意を要する。
  • 1日に取る水分量はどの位が良いのか?医師より食事の時の汁物を含めて2㍑以上と言われているが!佐藤先生よりあまり多くとっても腎臓に影響するので1日1.5㍑くらいが適当ではないかとの助言がありました。
  • 暑くなると一度に500~600㎖を飲むこともあるが、どんな飲み方が良いのだろうか?喉ごしが良いからといって1度に大量の水を飲むと食事にも影響するので、何回かに分けて飲む方が胃の負担も少なくて良いのではないか。
  • 尿の臭いについて。・衣服についた場合や採尿袋からの臭い対策は。・異臭が出るが、どのように対処したら良いか。・採尿袋は2回水洗いしているが、それでも取れない。・今は各メーカー脱臭剤を出しているので使ってみては。・採尿袋水洗時にキッチンハイターを少量入れることにより除菌、脱色、脱臭を兼ねることができる。 ・採尿袋の連結部分は経時により外れ易くなってくるので、月1回ぐらいは全部外して水洗いし良く乾燥して、できればアルコール脱脂綿で拭いた後に組み立てると良いようだ。・衣類についた場合には、消毒用アルコールを噴霧器に入れて拭きかけ、乾かすことによって脱臭している。・採尿袋の使用期間について話題となった。別に決まりはないが、メーカーとしてはできるだけ短い方が望ましいという声でした。
  • 臭気については私たち全員が気をつけることではあるが、根本的な解決方法はないので、各自が細心の注意を払って維持管理することを話し合った。

2022上期チラシ-支部総会