• 日本オストミー協会山形県支部は山形県内2,200名のオストメイトの社会復帰、QOL(生活の質)及び福祉向上のため、仲間同士の交流会や相談会、医療従事者を招いての研修会や入浴体験会など様々な活動を行っています。

2023年度下期庄内地区オストメイト研修会を開催

2023年11月12日、日本海総合病院二階講堂を会場に、「庄内オストメイト家族会 オストメイトとそのご家族の研修会」が開催されました。参加者の内訳は、オストメイトとその家族 14名、日本海総合病院スタッフ 10名、メーカー・販売店 7名、その他2名の総数 33名です。気温の低さとインフルエンザが増えつつあると言うことで参加者は前回よりも少なかったのですが、少ないなりにじっくり話ができてよかったという声もあり、今回も中身の濃い研修会でした。

 直腸癌でストーマを作ったのは3年くらい前、癌がわかったきっかけは職場の健康診断でした。2年連続の要精検という結果にとても不安になり、すぐに日本海病院を紹介してもらいました。しかし、人工肛門を作ることにはなかなか踏み切れず、じたばたしたあげく最後はマイルズ手術になりました。退職の時期と重なり、職場には大変迷惑をかけたと思います。今春再発、6月に再手術し、山大病院の重粒子センターにつないでもらいました。スピード感のある対応に外科の主治医には大変感謝しています。また、看護師の皆さんには優しく親切に対応をしてもらい本当にありがたかったです。
 音楽鑑賞を趣味にしているのですが、おならがでるとき、お腹の感じで出るかなと思っても我慢することは不可能です。ステージから離れた通路脇や出入り口に近い席で聴くようにしていますが、静かな場面で「ブーッ」と出たらどうしようと考えます。笑って「ごめんなさい」でしょうか。
 旅行のときに欲しいのがトイレの情報です。旅行で使いやすいと思ったのは飛行機でした。飛行場にはオストメイトトイレがあり、体調さえ安定していれば1~2時間のフライトはパウチが膨らむこともなく過ごせました。鹿児島に行ったときは乗り換え時間を多めにとることで安心して移動出来ました。トイレの場所を調べていると、欲しい所にあることは少ないです。それにドアにオストメイトマークがあっても、誰もが使えるという意味でマークがついてるだけで、実際は車椅子対応という場合もあります。オストメイト対応でも便座に洗浄用のパイプがついているものや立ってシャワーを使用できるものなど様々です。自分は洋式の便座に座っているとお尻の穴付近に筋肉が無く、縫い合わせたところが引っ張られて痛みます。シャワー付きでないところではせめて丸椅子でも置いてあるとありがたいです。
 ここ数年、星空の写真を撮っています。夜中に出歩いているので不審者のようです。最近は熊も怖いのですが、自宅から30分程の所で天の川と風景を入れた写真を撮ります。街の明かりが強いと光害のため色の薄い天の川はなかなか見えません。空気の澄んでいる高い山に登ればいいのでしょうが、トイレの問題と高所恐怖症のため、平地で撮影しています。チャンスは年に10日くらい。天気予報、大気の状態、月の位置や星の動きをスマホで調べ、運良く撮れればラッキーと思い、撮影に行くまでワクワクしながら楽しい時間を過ごしています。
《発表者 S男》

 日本海総合病院にて泌尿器科のDr.のストーマ造設についてのお話を伺い、膀胱がんの手術の中で新膀胱造設術と回腸導管術の説明を戴きました。
 私が膀胱がんで手術前に担当Dr.から手術に当たってこの2通りの選択肢の説明が有り、ストーマになったから日常の生活を送るにはいくらでもリスクが少なく、自分に合った方を考え、私は回腸導管を選択しました。改めてDr.のお話を伺いこの選択で良かったと思いました。
 また、先生の分かりやすいストーマ造設の説明で、注意して維持管理することの大切さを教えていただきました。日々の不安や皮膚トラブルなど、この機会に直接ドクターや看護師さんとお話しが出来、不安が少しでも解消できたことは良かったと思いました。この10年間で3つのがんを患い、臓器を3つ取ってもなお生きていられ、日常生活が送られる医術の凄さに驚きつつ、医療従事者の方々には本当に感謝している次第です。《報告者 菅原》

☆コロストミーグループ
コロストミーグループの参加者は10名、山大医学部のH先生、WOCナースのKさん、メーカーさん、販売店さん、患者さん5名、ご家族1名でした。オストメイトになってから、2年1人、3年2人、4年1人、18年1人、22歳の時に手術して現在68歳のお元気なベテランさんがいました。自己紹介の後に現況、悩み、日頃工夫していることなど話し合いました。2年目の方から、最初は皮膚のただれで大変でしたが、ストーマ外来を受診して、装具を変えるなどのアドバイスを受け、現在は大丈夫とのこと。また「ヘルニアがあり、夏になるとテープにかぶれて困っている」との悩みにWOCNのKさんから、「テープ付きでない装具にしたら」とアドバイスを受け、ズボンのベルトの細工や、日光浴を薦められたそうです。別の方は夏のかゆみにローションが気持ちよいとのことでした。便秘の時はリンゴを皮ごと食べ、食事でコントロールし、主治医から整腸剤を処方してもらっているそうです。3年目の方はパウチが周囲半分ほど外れてしまい、早めのストーマ外来の受診を薦められました。「かかりつけの病院を変えようとも思っているが、今まで世話になっているのでどうしたらよいか迷っている」とのお悩みも吐露されました。いずれにしても異常を感じたらひどくならないうちに、早めに受診した方がよいとのアドバイスでした。できるだけ快適な暮らしを過ごせますように。《報告者 弦木》

☆ウロストミーグループ
ウロストミーグループの参加者は、医療関係者5名、販売店3名、メーカー1社、当事者4名、一般参加者1名の14名でした。一般参加の方は、ご家族様が今度手術を受けるかもしれないので勉強しにいらしたそうです。夏の研修会では汗で装具が剥がれやすい、交換時になかなか皮膚が乾かない等の相談がありましたが、今回は逆に皮膚が乾燥して痒みがある、軟膏や保湿剤等でのケアが大変だ、等の相談がありました。これに対して軟膏よりローションの使用や、冬場だけケア用品を変えてみてはどうか、とのアドバイスがありました。また、のり残りがあると痒みの原因になるとのことで、参加者からペーパーや綿棒を使ったケアのアイディアが出されました。一般参加の方が帰り際に「今後の不安が少し解消されました。皆さんお元気で前向きな気持ちになれて、参加して良かったです。」との言葉をいただき、良い会になったと思います。《報告者 宮崎》