10月17日(日)~18日(月)東根温泉「東紅苑」において22名の参加者(講師2、メーカー装具店2も含む)にて開催。コロナ渦の中ではあるものの、感染者数が落ち着いており開催できた事にホッと一息も、宿泊を伴うということでリスクはあり、その点を心配しながらでした。会員10、非会員7 (内付添1、初めての参加4⦅内日帰り2⦆)と多くの方が集まって下さり感謝。
〇参加者の自己紹介(簡単に)の後、北村山公立病院の大場倫太郎皮膚・排泄ケア認定看護師より「大浴場での心得と装具・補装具類」について講習頂きました。講習では、山形県民温泉好き、オストメイトの方が温泉を楽しむには、浴場施設側の理解と利用者側の心得の相互理解が重要で次の注意点についてお話がありました。
- 公衆浴場の利用前に知っておくこととして
- ストーマ装具をつけて利用可能か施設に事前確認をする。(利用を断られたり、個室(貸切)風呂を利用するよう言われたりという例も)
- 法律上入浴拒否は認められていないが、実際の判断は各施設の現場任せの部分はある。
課題として浴場施設側にもオストメイ トに関する正しい知識を持ってもらう必要
- 入浴前の準備
- 装具内の排せつ物を空にしておく・消化管ストーマは食後2時間経ってから入る
- 貸切風呂でも装具を外さない
- 閉鎖式(クローズタイプ)のパウチに張り替える
- 二品系(ツーピース)装具は、面板は剥がさず袋(パウチ)のみ入浴用袋に付替える
- 面板の外側を補強用のシールやテープで保護し面板の溶けを予防
- 装具を2つに折畳み入浴用の目隠しシール(肌色)を上から貼る
- ガス抜きフィルターにシールが必要か自分の装具を確認。
- 公衆浴場での入浴時のポイント
- 混んでいる時間帯を避ける・脱衣所での衣類の着脱は目立ちにくいよう工夫する
- お湯は40度前後が適切→面板が溶けやすくなる
- 浴槽につかる時間は15分程度に→面板の剥がれなどトラブルのもとに
- 脱衣所や洗い場はストーマ側を壁側に→目立ちにくい
- 浴場内移動の際はタオルで腹部を覆う
- 浴場や脱衣所での交換はしない
一人ひとりがマナーを知り守り、 浴場施設側にもオストメイトの情報を発信し続けていくことが重要
〇2つのグループに分かれての相談・交流
- 各自の入浴状況について
- 毎日湯船につかっている、そうじゃないとお風呂に入った気がしない
- 装具を張り替える時(2, 3日に一度)だけ湯船に人り他の日はシャワー
- 湯船には入らずシャワーのみ→家族への遠慮がある
- 装具を剥がして湯船に入る時は、プリン容器のような物を利用し、ストーマにあてて入る風呂の温度が高いと面板が溶ける恐れがある
- 剥離剤を2,3回で使い切ってしまう
- 人院中、看護師によるパウチ交換をもっと丁寧にしてほしい
場所の関係で聞き取りにくい場面も多く、ソーシャルディスタンスを取りながらの相談交流は難しい所もありました。
- 入浴指導については、男湯は北村山公立病院の大場倫太郎WOCN,女湯は県立河北病院の宍戸由美WOCNさんの指導を受けながら、実際に上記のことに注意しながらの人浴体験をしました。人浴用の肌色シールをパウチの上から貼りましたが、前に使用した時とは違いあみあみの袋がついており、シールが剥がしやすく進化しているのにビックリ!。お湯の温度も丁度よく、一緒に入ったkさんと「あったまるね」と堪能しました。Kさんには宍戸さんがこの交流会の案内をして下さり、初めて参加されたとのことで大変喜んでおられました。
- 夕食交流会はアクリル板越しでしたが、皆さん静かに楽しまれ、会員の柴田さんが書いた絵画も披露されました。アンケートでは、悩みが共有できた、聞きたいことが聞けた、自分の胸の内を話せた、知り合いができた、などの成果。次回では入浴時の漏れ対策体験談の披露、皆さんそれぞれの工夫が聞きたい等あり、参加出来て良かったとの意見が多く聞けた研修会となりました。