山形市立病院済生館 皮膚・排泄ケア認定看護師の遠藤絵里子さん
11月18日(土)~19日(日)、東根温泉「東紅苑」で大浴場での入浴講習会が開催されました。 講師は、山形市立病院済生館皮膚・排泄ケア認定看護師の遠藤絵里子さんと高橋真理子さん。当日はあいにく荒れ模様の天気でしたが、参加者は、去年秋にストーマを造設したばかりの仲間と家族からベテランまで19名(ウロ3名、コロ9名、イレ1名、付添い6名)、賛助会員2名(「ケア工房」の長谷さん、「オーリンク」の大滝さん)の計23名での講習会となりました。
初めに、参加者全員が自己紹介を行い(庄内、新庄、東根、山形、南陽、寒河江、河北、そして秋田県支部の事務局長さんとその友人の方も参加)、実務講習「入浴マナーと装具・補装具類」について、看護師の遠藤さんからプロジェクターを使って説明いただきました。また、看護師さんと各取扱店からは入浴に関係する装具・補装具類の展示、使い方まで教えていただき様々な試供品なども提供していただきました。
講習をして頂いた後、2班に分かれて分散会を行いました。その後の入浴体験では、両講師から脱衣場に入って指導を受けました。
入浴マナーグループ交流会の報告(グループ1)
・参加者は、ウロ3人、コロ3人、家族3人、WOCナース1人、販売店1人
・参加者自己紹介のあと、入浴時の管理についてどのようにしているのかを中心に自由に意見交換をしました。
意見交換
① 家では、毎日入浴している。
② シャワー浴のみで済ましている。外での入浴は控えている。
③ 特に外出した際には、大浴場は利用せず、貸し切り風呂を利用している。
④ 入浴(シャワー)時には、剥がれ防止のため面板の周囲にテープを貼っている。
⑤ 体型が変わってきて腹部にしわができ、面板からの漏れが生じる。
⑥ 患部はペットボトルに湯を入れて、洗浄している。
⑦ 風呂上がりの際、パウチ袋の水分を乾いたタオル等で十分拭き取る。(特に裏側)。
⑧就寝時夜間用排尿袋に接続した際、パウチ排尿口のバブルを「開」にしなかった(失敗談)。
⑨ 装具が合わず、何度も販売店さんに相談し、いろいろなメーカーのものを試し、やっと現在の装具に巡り会って安心して使用している。
⑩ 庄内地区では、年に何度か研修会が開催されているが、他の地区ではどのようになっているのか?
WOCナースさんから参加者へ助言
①術後時間の経過とともに体型が変化して、面板等が合わなくなったりしてくる場合があるので、メーカーからの試供品等を活用して自分に合った製品を探してみる。
②温泉等の大浴場を利用する際には、自分のストーマの位置を確認し、洗い場ではストーマが壁側になるように座るなどの工夫が必要。
③ 手術後は、ストーマ外来を受診してもらっているが、3週間ぐらいして問題なければ、通院は終了している。パウチ交換が自立できるようになれば、患者側からのストーマ外来受診の必要性はなくなってしまうので、定期的・継続的なストーマ外来受診に結びついていないのが現状だ。
④トラブルが起こったときには、1人で悩まずにストーマ外来を受診してください。
庄内地区以外での研修会の実施状況
村山地区では、年1回の研修会しか実施していないが、庄内では日本海総合病院管内で年2回の研修会と集いが数回開催され、別に荘内病院主催の研修会が年2回開催されています。
《報告者 岡崎》
入浴マナーグループ交流会の報告(グループ2)
①最近大腸がんの飛び散りが見つかり、山大で重粒子線治療を受け、今は落ち着いている。入浴は毎日で装具も毎日交換しているとの事。
皆さんから、装具代金大丈夫?との声には、助成金以上にはなるが大丈夫。
②助成金が上がると助かるのだが。
③ イレとコロが同額助成に、イレがより大変な気がするのでウロと同額ぐらいの方がよいのでは。
④へその近くにストーマがあるので、漏れやすい。
⑤装具交換のときだけ入浴している。
⑥パウチ洗いますか?の問いに、看護師さんからは、おすすめはしませんが、排出口だけ洗うのはありなのではと。
⑦82歳男性は現役のペンキ屋さん!汗をかいても1万歩以上歩いても剥がれず大丈夫との事。装具交換は奥様だそうですが、自分もやらなければと思っていると。
⑧長湯で10分~15分入っているという方は、温泉の成分でパウチが剝がれやすくなるのかという質問。看護師さんからは、剥がれやすいという確認は取れてはいないが、高い温度には注意が必要。
⑨温泉や共同浴場にはまだ行けていない。(ストーマになって日が浅い)
⑩家族風呂に入る。
⑪人がいない時をみて大浴場に入る。
⑫シールを貼って入る。
自宅以外は装具をつけて入るのがマナー。
⑬詰まるのがこわいので、水分を充分摂るようにしている。(1日2㍑位)
⑭ウォーターガードを使ってみたが、うまく貼れず水分が入ったりする。今回新しく出たものを試してみたい。
⑮公衆浴場へは、研修会や温泉に入りたい気持ちがきっかけとなった。
その後、会員の方のご厚意による絵を鑑賞したり、プレゼント交換をしたりと楽しい時間を過ごせました。有難うございました。
《報告者 吉野》