• 日本オストミー協会山形県支部は山形県内2,200名のオストメイトの社会復帰、QOL(生活の質)及び福祉向上のため、仲間同士の交流会や相談会、医療従事者を招いての研修会や入浴体験会など様々な活動を行っています。

2022年度上期庄内地区オストメイト研修会を開催

2022.7.17(日)酒田市中央公民館でオストメイ研修会が開催されました。

2022年7月17日オストメイト研修会が開催されました。新型コロナウィルスの影響により今回も酒田市中央公民館での開催となりました。一般参加7名、病院関係5名、メーカー・販売店5名、協会スタッフ5名の計22名の参加でした。

仲間による体験談の披露が行われました

◆体験談を披露したNさんは2年前オストメイトになったそうです。朝食後、お腹の突然の激痛により自分で救急車を呼んだことは覚えているそうですがあまり当時の記憶が無いそうです。手術後10日間は意識が無かったとのことでしたが100日間に及ぶ入院治療の結果ようやく退院できたそうです。現在はある程度健康を取り戻し、いろいろなところに出掛けられるようにもなった現在の思いとしては・パウチは家族から交換してもらっている。・退院後ストーマサイズがだんだん小さくなってきた。・寒い時だけ入浴するが漏れ、剥がれが心配で長時間入っていられない。毎日ゆっくり入りたい。・手術前のズボンは履けなくなったので全部新調した。・趣味として登山やスキーなどいろいろやっていたがオストメイトになってできないことが多くなり、欲求不満状態。・居住地域にオストメイトトイレがほとんど無い。先月研修会が行われた東紅苑のオストメイトトイレは使いやすかった、自宅に設置したいが難しい、とのことでした。その他「パウチがくっつきにくい部分の対処方法」について皆さんへの質問もありました。Nさんは「協会の研修会や集いに参加しようと思ってもコロナ禍でことごとく中止になり、日常生活における情報が全く入らなかった。今年になってようやく行事に参加でき、仲間からいろいろなアドバイスを聞くことができるようになった。これからも多くの行事に参加して仲間と交流しながら役立つ情報を仕入れていきたい」と語られました。

(報告者 阿達)

講演「人生会議をもっと身近に~もしもの時に備えて」

◆日本海総合病院がん看護専門看護師阿曽辰徳氏による「人生会議をもっと身近に~もしもの時に備えて」の講演について報告します。「人生会議」の定義は「今後の治療や療養について患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合うことである。(後略)」とテキストにはありましたが、その言葉からは終末期医療との関連が想定されないあまり聞きなれない言葉です。阿蘇専門看護師からは言葉の概念や発祥などについて詳細に説明がありましたが、講演の最中頭の中では「自分自身の終末期医療に対する希望は何か」の考えにずっと囚われてしまって、正直講演内容があまり記憶に残っていませんでした。ただ人生会議を行うに当たってはメリットとデメリットがあり、更に行うタイミングが難しいとのことでした。そのことを十分理解した上でエンディングノートを作成していきたいと思いますが、とりあえず現在の希望をまとめてみました。①もしもの時は延命措置をしない。②痛み等苦痛は除いて欲しい。③出来るだけ自然に逝きたい、以上ですが残された人のためにも、日頃からお互いの想いを話し合っておくべきだと思いました。

(報告者 弦木、阿達)

装具メーカーと販売店からの最新情報

◆装具メーカー・販売店からも5名参加いただき、多くの試供品、新製品の情報の提供がありました。また会場準備にもお手伝いいただき、あらためてお礼申し上げます。

グループ交流について

《ウロストミーグループ》
参加者8名のうち、病院関係者2名、メーカー1名、代理店1名と半数が患者以外で、4名の患者の中でも2名が術後10年近いベテランだったためか、病状や健康不安の相談よりも、装具やアクセサリー等の扱いについての相談が多くありました。中でもユローズバッグについて、寝ている間にチューブが外れたり栓を止め忘れて大変な事になってしまった、という声がありました。これにはユローズバッグをビニール製のバッグに入れて使用している方から、防水性があるバッグに入れれば栓の止め忘れや、万が一ユローズバッグに傷や穴が空いても安心だ、とのアドバイスがありました。ビニールバッグに関しては、ミシンで縫った物より熱で圧着した物の方が滲みないかも知れません。また、トイレにフックを付けてバッグを掛けて保管すれば片付けが楽だとの事でした。チューブが外れてしまう点については、テープで補強したり、チューブを足の間に挟む形で寝るという方がいらっしゃいました。他にユローズバッグの洗浄方法やパウチを清潔に使用する方法など、皆様それぞれに工夫を凝らして生活おり、知恵や知識を患者のみならず、医療の現場やメーカーさんと共有出来た有意義な会であったと思います。最後に、WOCナースさんからはストマ外来を活用して不安を解消して欲しい、また、メーカーさんからはより良い製品開発のためにもどんどん意見を聞かせて欲しい、との有り難く力強い言葉をいただきました。皆様のご協力に感謝するひと時でした。

(報告者 宮崎)

《イレオストミーグループ》 
私たちは10名(病院関係者2名とメーカー・装具店2名を含む)のグループとなりました。相談内容とそれに対するアドバイスについて報告します。
《相談内容》「ストーマと皮膚の間が半分切れている(皺が寄っている状態?)。半分はきれいにくっついているんだけど、これって正常なんでしょうか」
  ◆アドバイス
ストーマ外来へ受診されていないということですので受診されて、相談してみてはいかがでしょうか。
《相談内容》 ・「風呂に入って漏れるのではと心配で長く入っていられない」・「入浴の仕方で、漏れるのではと心配です」
 ◆アドバイス
(装具店より)面板の周囲にテープを張るなど色々な漏れ防止用の副装具があるので試してはいかがでしょうか。
《相談内容》「災害時の備えは?」
◆アドバイス
(販売店・メーカーより) 使用している装具の種類は1週間位で調べられますが、必ずしも同じ装具があるとは限りません。予め緊急用に準備をしておいてはいかがでしょうか。販売店でも、緊急用持ち出しバックがありますので参考にしてはいかがでしょうか。

(報告者 宮田)


お手伝いいただいた日本海総合病院のスタッフの皆さん