• 日本オストミー協会山形県支部は山形県内2,200名のオストメイトの社会復帰、QOL(生活の質)及び福祉向上のため、仲間同士の交流会や相談会、医療従事者を招いての研修会や入浴体験会など様々な活動を行っています。

山形市総合福祉センターで研修会を開催しました

2023.5.21(日)山形市総合福祉センターでオストメイとご家族の研修会が開催されました。

 2023年5月21日(日)山形市総合福祉センター3階会議室にて、上記の会が開かれました。コロナが5類に移行してから初めての研修会になるので、多くの方が参加して下さればいいなと思いながら臨みました。
 参加者は計28名(講師2名、仲間家族18名、メーカー・取扱店8名)でした。
10時開会で、阿部支部長挨拶の後、「ストーマの自己管理が難しくなった時」というテーマで、まず山形県立中央病院認知症看護認定看護師 板垣和人先生からお話頂きました。
 長生きになった事で(平均寿命男性81,5歳世界2位、女性86,9歳世界1位)認知症の人も増えており、2025年(令和7年)には約470万人になると推定されるそうです。
 認知症になった時、ストーマ管理が難しくなってくる場合もあり(認知症ではなく他の病気、怪我、視力の低下、手先がおぼつかなくなる、体形、皮膚の状況、など色々な場合がある)に備え、自分が行っているストーマケアの事を他の人(面倒を見てくれる人)に日頃から伝えておく事や、以下の2つの事が大切とのお話でした。
 〇 パウチ交換に必要な物品を全部並べて写真に撮っておく。
 〇 使っている物品一覧を作り、交換する手順をわかりやすく書いておく事
 また、認知症は予防が大切で、高血圧、脂質異常、肥満などの生活習慣病対策や、脳や体をよく使う事が大切だとの事でした。
 次に山形県立河北病院副院長 佐藤敏彦先生より同じテーマでお話頂きました。
「高齢者が増加することで一人暮らしの高齢者や老々介護も増えている。一人で悩まず周りへの相談がとても大切(家族、かかりつけ医、病院のストーマ外来、担当ケアマネの方等)医療者側としては、家人に任せるだけでなく、訪問介護、訪問看護、オストミー協会など社会資源を活用して臨む」という事でした。
 講演のあとは装具メーカー・取扱店による装具等の紹介があり、参加者が色々な質問をしたり、様々なサンプルを頂いたりする事も出来ました。
 グループ交流はコロとウロに分れて行う予定でしたが、ウロの方が少なかったため、合同で行いました。また、講師の先生方が途中でお帰りになる予定でしたので、自己紹介を後にして、まず先生方への質問や、ご指導頂きたい事等を質問する事としました。
 腸閉塞が心配との声に、佐藤先生からは「手術をするとなりやすく、また癒着は必ず起こるので、心掛ける事としては、食事では通りの良い消化の良いものを食し、繊維質の多い山菜等はなるべく避ける。腸を動かすマッサージをするとよい」とのお答えでした。
 また、卵巣がんからストーマになった女性は、回復は順調ですが、ストーマ周辺のかゆみがあり困っているとの事。「早めにストーマ外来へ行き相談する事が大切、そして、パウチが皮膚にあってない場合もあるので色々なメーカーのサンプルを貰って試してみることもいいのでは」とのお答えでした。
 先生方がお帰りになられ、参加者の自己紹介では、ストーマ造設してからの生活が、20年以上の方から、まだ5か月とか様々な方がおられました。
 ・トイレに40分もいることがあり、くたびれてしまう(コロ5か月)
 ・パウチの上のほうに便が溜まり、スムーズに落ちてこない(コロ5年)
  (潤滑剤を多めに使用してみてはという意見がありました)
 ・就寝している時、管のつなぎ目が引っ張られてはずれ、尿が漏れてしまったのでそれから色々工夫している(ウロ11年)
  (臭い漏れも気になる。コロの方も臭いには悩んでいると声がありました)
 ・この度腎瘻になり、パウチ2つとなり、4週間に一度病院に行き、カテーテルの交換を行っている。管理が大変である(ウロ)
 ・6月に入院し、もしかすると透析になるかもしれない(ウロ4年)
 ・女性だけの交流会があっても良いのではというご意見も聞かれました。
 色々なお話をお聞きして、年齢による身体の変化により、ストーマケアも変えて行かなければならない事を実感した日になりました。
                              《報告者 吉野》