1 オストメイト生活実態基本調査報告書から 自分でストーマケアをやっている人は、平均年齢が68歳で80%となっているが、それを超えると自分以外の人にサポートしてもらっている人が多くなる。 サポートしてもらうのは、家族がほとんどだが、訪問看護や施設の介護士にやってもらっている人もいる 年齢を重ねていくごとに、自分でストーマケアが難しくなるので、今のうちから、自分で出来なくなったときの対応について、「誰に何をサポートしてもらうか」家族等と相談し決めておく必要がある 2 人生会議 いつまでも自分らしく生き生きと暮らすために、早いうちから、自分の人生の最終段階における医療やケアについて、家族や信頼できる人、医療従事者等と話しあっておく必要がある。 自分の年齢や心身の状態によって、考え方や意思は変化することがあるので、その都度何度でも繰り返し話し合っておくことが大事(以前に決定したことを変えても良い。) 【人生会議の項目】 ➀残された人生どこでどのように暮らしたいか ➁自分の気持ちや考え方を伝えられなくなったとき、自分に代わって判断してもらいたい人 ➂治療で改善が見込めない場合、どこまでの医療的ケアを望むのか ➃どこで旅立ちを迎えたいのか 3 夢結いノートの紹介 いつか自分の意思を伝えられなくなって、誰かが自分の代わりにこれからのことを決めなければならなくなった時、このノートに記した自分の言葉が拠り所になるように、そしていつか別れの時を迎えた後も、それぞれの記憶の中に暖かい思い出として紡がれていくための一助とするために作る 【感想】 今回の講座では、単に「自分でストーマケアが出来なくなった時」のみならず 「残された自分の人生の過ごし方」まで、今のうちから準備しておくことの大切さを考えさせられた 【報告者 O氏】 |
【グループ1】
このグループはオストメイトが11名の他、病院関係者、メーカー・販売店、福祉関係者他全部で18名の大人数のグループとなりました。
1、参加者が自己紹介と抱えている悩み等を発表し、自由に意見交換を行いました。
①県内には2,000名強のストーマ保持者がおり、山形でも500人弱の方がおられる。自分でストーマケアが出来なくなった時はストーマケア認定看護師に相談してみるのがよい。
②装具が合わず色々変えた。現在はC社製の装具、失敗もあるが今のところは問題なし。
夜間ウロバックに繋ぐとき失敗してしまうことがある。
③初めての参加。交通事故でストーマになったが今のところ順調。細かいことは気にしないようにしている。施設に入所しているが、入浴は特別枠を取ってもらい一人で入っている。
④関心のあるテーマだったので参加しました。11年目で、張り替えは6日に1度.初めはもっと短い日数で替えていたがだんだん延ばして今の日数にした。
⑤ストーマの周りが赤く固くなってきたので、心配で参加しました。
⑥2年5か月が経ちますが、楽しい生活が送られており感謝しています。
⑦介護福祉士です。色々なお話が聞きたくて参加しました。
⑧ストーマ造設後1年少し経ちますが、わからないことばかりです。
⑨家族が2年前直腸がんになり、色々知りたくて参加しました。
⑩済生館外科外来師長になり2年目、ストーマのお話を聞きに参加しました。
2、参加者からの意見が出た後、WOC ナースからの助言がありました。
⑤に関してストーマ周囲の皮膚が赤くなる原因としては、排泄物の付着が考えられる。ストーマも時間が経過すると、形、大きさが変化するので、サイズの測り直し、装具の選び直し、また、カットする時大きく切りすぎないようにする。男性の毛深い人は、おなかのムダ毛をシェーバー で剃る。シャワーでしっかり洗い、よく乾かしてから貼る。毎日お風呂に入れない人は、乾燥肌になりやすいので、保湿剤を塗る。ストーマ周囲に塗る物はローションタイプの方が効果がある。面板周囲が痒くなった場合は、ステロイド系の薬を出してもらうとよい。
⑧に関して、ストーマ外来のない病院にかかっている人は、先生にお願いして、ストーマ外来のある病院に行ってみる。
他に山形大学地域教育文化部4年の今野さんが、現在卒業論文として「災害時におけるオストメイトの課題とニーズ実態調査」の研究に取り組んでいるとの事で、アンケート調査へのご協力のお願いを発表されました。アンケートには、8名の方から、提出頂きましたが、もう少し、コロの方の話をお聞きしたかった。色々教えてもらい、知れてよかった,等の言葉が聞かれました。《報告者:Y》
【グループ2】
1、参加者は、一般10人、会員3人、付き添い1人、福祉施設職員1人、WOCナース2人、販売店3人
2、参加者が自己紹介と抱えている悩み事等を発表し、自由に意見交換をしました。
①パウチは中3日か4日で交換しているが、ストーマが詰まって休日に救急車を呼んだときがある
②夏場には汗をかくので、面板が剥がれ易くなり交換頻度が多くなるため、補助金でまかなえなくなる
③パウチの交換は、入浴後に行っているが、なかなか体の汗が引かないので、パウチを貼るまでに時間がかかる(扇風機などで体の汗を乾かしている)
④自宅では、シャワー浴のみで済ましている。外での入浴は控えている。
⑤入浴(シャワー)する時には、剥がれ防止のため面板の周囲にテープを貼っている。
⑥友人から誘われて、3月に初めて旅行に行って温泉に入った。
⑦1人暮らしをしているので、訪問看護(週2回)を利用して、パウチ交換を手伝ってもらっている(90歳代女性)
⑧パウチ交換は、これまでずっと妻にやってもらっていた。妻も高齢になったので自分も出来るようにしなければと考え始めた。
⑨椅子に座ってパウチ交換をしているので、ストーマの状況がよく見えないため、妻からしてもらっている。
3、参加者からの意見が出た後、WOCナースから助言がありました。
①風呂上がりでパウチ交換をする際は、体の水分を乾いたタオル等で十分拭き取り、汗が引いてから交換すること
②夏場は汗をかいて、パウチの交換頻度が多くなった分、冬期間の交換日数で調整してみてはどうか(交換日数を季節間で調整)
③便の排出される時間は、腸の働きが人それぞれ異なっているので一概に言えないが、食後2時間くらいは、パウチ交換は控えた方が良い
④食べた物でも便の出る時間が変わってくるので、経験を重ねそれぞれ個人の食生活にあった時間帯をさがして、交換のタイミングを絞っていく必要がある(ある程度落ち着いてくると、便の排出される時間帯も安定してくる)
⑤これから暑い夏を迎えるので、水分は十分に意識して摂るようにしてください。
⑥ストーマ周囲の皮膚のただれ等には、軟膏を塗ると面板が貼れなくなるので、ローションタイプの物を使用することが必要です
⑦スト-マでトラブルが起こったときには、1人で悩まずにストーマ外来を受診してください 《報告者:O》